【コーヒーの基本(7)】
コーヒーチェリーから生豆へ「精製」
1杯のコーヒーができるまで、栽培から抽出までさまざまな工程をたどります。収穫したコーヒーの実から種子を取り出す精製もそのひとつ。今回は、精製について取り上げます。
●1杯のコーヒーができるまで
栽培(70ヵ国以上の生産国で栽培)⇨収穫(完熟した実を収穫)⇨精製(今回はココ!)⇨焙煎(生豆を火力で炒ること)⇨グラインド(焙煎した豆をミルで粉砕)⇨抽出(ハンドドリップやサイフォンなど)
コーヒーの実の中ってどうなっているの?
コーヒーの実は「コーヒーチェリー」と呼ばれる真っ赤な果実です。外皮である赤い皮の内側に甘味のある果肉があります。さらにその内側に堅い「パーチメント」と呼ばれる内果皮と「シルバースキン」と呼ばれる銀皮があり、その中にコーヒーの生豆が向かい合うように入っています。この果肉とパーチメントの間に(桃の種の周りにあるような)粘液質の「ミューシレージ」があります。このようにたくさんの層に包まれたコーヒー生豆をどのように取り出すのかが「精製」です。
●コーヒーの味を決める大切な要素ってなんだろう?
コーヒーの風味を作り上げている6つの要素。どの要素もおろそかにはできない大切なこと。今回取り上げる「精製」とは、コーヒーの実の中から種子(コーヒー生豆)を取り出すことですが、コーヒーにとっての精製とは……。
Point1 精製の方法によって味に違いが生まれる。
Point2 スペシャルティコーヒーが注目される中で、コーヒーの風味を引き出すためにこの精製の工程に新たな試みがされるようになった。
と、とても大切な工程なのです。逆に言えば、この工程次第でどんな高品質のコーヒーでも台無しになってしまう可能性もあるのです。精製の工程はそれぞれの生産国で行われているため、ほとんどの人は目にすることができません。現在、精製の主な方法は 3 種類あり「水洗式」「非水洗式」、両方の長所をとった「セミウォッシュド」です。生産者は、栽培地の自然環境に合い、なおかつコーヒー豆の個性を引き出すためにどんな精製方法がいいのか工夫をこらしています。
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