Our Town Cafe
〜 特別編 in 熊本〜
震災を乗り越え、笑顔が支える熊本の今。
2016年4月に熊本を襲った震度 7 の大地震。あれから1 年半、現地ではなにが被災者の心を支え、復興へと歩みを進めたのか。辛い日々を過ごす人々の心に潤いを与えた、コーヒーが持つ力を辿る。
地元の人や企業の繋がりが、震災復興の原動力に
2016年4月14日の前震、16日の本震で震度7を観測した熊本地震。益城町を震源に、西原村や南阿蘇村、阿蘇市、熊本市など広範囲にわたり、甚大な被害を及ぼした。なかでも、熊本城や阿蘇神社など、熊本が誇る歴史ある建造物が倒壊した様子が全国に強い衝撃を与えたのは言うに及ばない。そんな地震から1年半が経った今、熊本は着実に復興し、また元の姿を取り戻しつつある。その原動力になったのは、熊本に暮らす人同士の繋がりはもちろん、”ALL KYUSHU”の姿勢でのぞんだ企業や個人店の団結力だ。
震災を乗り越えて。笑顔が支える熊本の今
九州内の異動に欠かせない交通手段、列車。2011年に九州新幹線が全線開通し、ますます九州内の異動の利便性、ビジネスシーンを加速させている。さらに、九州は観光列車が数多く走る、列車旅の聖地。ビジネスはもちろん、観光の足として親しまれる列車乗車中のひと時をより質の高いものにしたいと、2016年6月にJR九州オリジナルブレンドコーヒーの車内販売がスタート。新幹線と、九州各地を走る観光列車「D&S(デザイン&ストーリー)列車」で提供され、その人気ぶりは、「おいしい」「お土産に持ち帰りたい」といった声が多く聞こえるほどだ。さらに、今年に入ってからは新D&S列車「特急かわせみ やませみ」も登場し、車内では人気の熊本ご当地スイーツを多数取りそろえ提供するなど、新しい取り組みが注目されており、明るいニュースが続いている。
一方、地震の影響が大きかった熊本市内のカフェもまた、復興の一助になるべくアクションを起こした。熊本市内唯一の百貨店「鶴屋百貨店」に入る『カフェラ』は水道が通っていないにもかかわらず4月24日に営業を再開。地震から1週間余りだったが、一時でも地震を忘れさせることができればという思いからの営業再開だったそうだ。震源地からほど近い『蔵人珈蔵 熊本小山店』もまた同じ思い出、10日間でリスタート。そこには利益を生むという概念はなく、あったのは地元である熊本、常連さんへの感謝の思いのみ。自分たちができること=おいしいコーヒーを淹れること。そんな小さなことを積み重ね、1年半。今、熊本は地震前とまったく同じとはいかないまでも元気に満ちあふれている。