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So, Coffee?

COLUMN

COFFEE MEETS CULTURE  Italy Edition
イタリア、カフェ文化の始まり。

Dec 10.2021

さっと立ち飲みするバールから、ゆったりと座れるカフェまで、コーヒーをたしなむ場所が、とにかくたくさんあるイタリア。創業200年を超える 2 つの老舗カフェからイタリアのカフェ文化の始まりをひもとこう。

 

イタリアのカフェの歴史は1645年、ヴェネツィアのサン・マルコ広場周辺に、イギリスから広まった社交場も兼ねた「コーヒーハウス」と呼ばれるカフェが開店したのが始まり。1720年に開業した『Caffè Florian(カフェ フローリアン)』は現存する世界最古のカフェだ。作家のヘミングウェイ、アーティストのアンディ・ウォーホル等、世界中から著名人が集まり、人気は衰えることなく現在に至っている。カフェ・ラテ発祥のカフェとしても知られ、コーヒーとミルクが別々に用意され、高い位置から同時に注ぐという伝統的な作り方で目の前でサーブされる。

世界で最も美しい広場ともいわれる、ヴェネツィアの「サン・マルコ広場」で、300年もの歴史をもつ『カフェ フローリアン)』の重厚な店内。
ヴェネツィアを訪れたら必ず立ち寄っていたという、常連のヘミングウェイ(写真右)。

 

また、ローマ最古のカフェ『Antico Caffè Greco (アンティコ カフェ グレコ)』 は1760年創業、イタリアでは2番目に古く、デミタスカップの発明で世界に名を広めたことでも知られる。ここにも、詩人のゲーテ、作家のアンデルセン、音楽家のワーグナーやリスト等、そうそうたる文化人が訪れていた。当時のイタリアのカフェは、文化人たちが集うサロンであり、情報交換の場でもあったのだ。

入口を入ると立ち飲みできるバールがあり、奥に進むとゆっくりと飲める個室のカフェスペースが広がる。建物は国の重要文化財にも指定されており、重厚感あふれるインテリアや歴史を感じさせる装飾品等は美術館さながら。
壁際にベンチシートが設置された、独特なスタイルのカフェスペース。「エスプレッソ」の価格はテーブル席なら 7€、カウンターなら 1.2€。

 

その後、1901年にミラノでエスプレッソマシンが開発され、たちまちイタリア全土に広まり、さっと立ち飲みができる現在のスタイルの「バール」が誕生し、イタリア人にエスプレッソはなくてはならない存在に。そして近頃はゆっくりと仕事をしたりコーヒーについて学べるような新しいスタイルの「カフェ」も登場してきたが、長い時間を経た今も、イタリアではコーヒーのある場所は、人々の交流の場であり、社交場としての役割を担い続けている。

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