UCC ひと粒と、世界に、愛を

COFFEE MEETS CULTURE 
カップ&ソーサー。

Dec 03.2021

コーヒーを飲むうえで欠かせない「カップ &ソーサー」を紹介。明治から昭和中期にかけて欧米に輸出された日本製のものをご紹介。

 

世界を魅了したノリタケの技術と色

江戸時代の浮世絵が後の西欧近代美術に多大な影響を与えたのは有名だが、オランダ貿易が盛んだった江戸中期(17世紀初頭)に、既に古伊万里や柿右衛門などのコーヒーカップがヨーロッパ王侯貴族を虜にしていたのをご存じだろうか。19世紀末から20世紀初頭になると、製造技術が著しく向上した「オールド・ノリタケ」の日本から海外への輸出量が急激に増加した。 「この頃の日本の瀬戸をはじめとする輸出磁器製造業者たちの技術は画期的なものでした。その時代のニーズに合わせ、さまざまな技法やデザインが製品に取り入れられたのです。例えば〝金盛り〞と呼ばれる技法は、絵具を重ね塗りして盛り上げた模様の上に金彩を施し豪華さを演出しています」 と、近代輸出工芸史に詳しい井谷善惠先生は指摘する。当時の欧米諸国の好みを汲み、日本らしい「オリエンタル風」 「花鳥」 「風景画」そしてアールデコ調の「ジオメトリックパターン」などの図柄や絵柄が多く製造されていた。 「この時代の欧米人が着飾って、これらの器でコーヒーを飲んでおしゃべりしていた姿を想像するだけでもワクワクしますね」。

1. ジオメトリックパターン(1911~41年頃)
「パクス・アメリカーナ」と呼ばれるアメリカが繁栄した時代に製造されたアメリカンアールデコの名品。しかし、輸出先はイギリス。約100年前のデザインだが古さを感じさせない。
2. 風景画 (1918~25年頃)
初期の風景画は湖畔に木が1本生えている程度だったが、徐々に家や白鳥などが加えられた。この作品は比較的初期の面影が残る。縁には盛り上げ金彩が巻かれ豪華な仕上げ。
2. 風景画 (1918~25年頃)
初期の風景画は湖畔に木が1本生えている程度だったが、徐々に家や白鳥などが加えられた。この作品は比較的初期の面影が残る。縁には盛り上げ金彩が巻かれ豪華な仕上げ。
2. 風景画 (1918~25年頃)
初期の風景画は湖畔に木が1本生えている程度だったが、徐々に家や白鳥などが加えられた。この作品は比較的初期の面影が残る。縁には盛り上げ金彩が巻かれ豪華な仕上げ。
教えてくれた人

井谷善惠先生

東京藝術大学グローバルサポートセンター特任教授。関西学院大学文学部フランス語学科卒業。後に渡英し、オックスフォード大学大学院オリエント研究所より博士学位授与。著書に『オールド・ノリタケのアール・デコ』(平凡社)、『美術工芸の明日を担う20人』(里文出版)ほか。

撮影協力:神楽サロン

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