UCC ひと粒と、世界に、愛を

So, Coffee?

COLUMN

ハワイの豊かな自然と、
人々の情熱が育んだ
コナコーヒーを知る。

Dec 04.2021

世界三大コーヒーのひとつとして知られるコナコーヒー。生産量は世界のコーヒー生産量の1%以下で希少性も高い。 ハワイ島の豊かな自然環境が高品質でパワーあふれる豆を育み、至高の味へと昇華させ多くの人を引きつけている。

コナ地区は海岸から一気に標高 が高くなるため、コーヒー農園 からは景色が開けていてハワイ の海を一望できる。

スペシャルティコーヒーブームの中で、より一層注目を浴びているハワイ島のコナコーヒー。大自然に抱かれて丁寧に育てられた豆は、生産量が少ないため希少価値も高い。すっきりとした甘味と程よい酸味が特徴で、佐藤を焦がしたような甘い香りに、ファンが多いのもうなずける。人々に愛され続けているコナコーヒーを探しに農園を訪れると、大地からは自然のパワーが静かに感じられ、どこか神秘的な景色が広がる。

なぜハワイ島の中でも西側に位置するコナ地区にコナコーヒーが栽培されているのか。火山から生まれたハワイ諸島だが、なかでもコナ地区は火山の影響を受けた肥沃な土壌で、コーヒーの木に必要な栄養素が多く含まれている。さらにコーヒー栽培の必須条件である昼夜の寒暖差もあり、程よい降水量や日照時間と、山から降りてくる風によって、コーヒーのおいしさを育む理想的な環境となっている。ただしその作付面積は1400haと他国の産地と比べて極端に狭く、生産量が少ない。

見頃が1~2日間で「幻の花」といわれるコーヒーの花。

そのような環境で育つコナコーヒーは、どのような特徴があるのか。主なコナコーヒーの品種である「アラビカ種ティビカ」は、アラビカ種の中で最も原種に近い品種といわれ、特にハワイ島で育ったものは青みがかった緑色の大粒の豆で、優れた香りと酸味を持つ。その開花時期は1月上旬~5月下旬で、収穫期は8月~翌年2月頃と、他の産地よりもやや長いのが特徴。手間を惜しまずにハンドピックで収穫するため、豆の熟度が均一で品質が高い。収穫期に雨が降ることが多いこともあり、豆は収穫したその日のうちにウォッシュド方式で精製処理することがほとんどだ。その後日干しされ、ハワイ農務省の厳格な格付け「エクストラ・ファンシー」「ファンシー」「No.1」「プライム」に等級分けされ、規格外となったものはコナコーヒーを名乗れない徹底ぶり。仕分けられた豆は、1袋45kgの麻袋に入れられ輸出されていくのも特徴だ(1袋あたりの規定重量が、コロンビア70kgや、ブラジル60kgよりも少ないのは、アメリカの質量単位の100ポンドが45kgのため)。

さくらんぼに似ていることから完熟実は「コーヒーチェリー」と呼ばれる。

もともと厳格な品質管理のもと育てられているコナコーヒーだが、ハワイ島では品評会を盛んに開催して、品質の一層の向上に努めている。

コナのコーヒー農園ならではの光景も見逃せない。コーヒーは白い可憐な花をつけ、一斉に開花すると雪が一面積もったような美しい景色が広がる。常夏の島ハワイで雪景色のような光景が見られるということもあり、「コナスノー」という愛称で親しまれている。聖地マウナケアやマウナロアからの風を受けてそよぐ純白の花々。その神秘的な美しさに、きっと神聖な何かがコーヒー豆にも宿っているのではと思わずにはいられない。

PAGETOP