01 英国のコーヒー需要は急激に伸びている
紅茶のイメージが強い英国。確かに紅茶の消費量はコーヒーの約1.7倍で、国民1人あたり1日に2.6杯との統計もありますが、紅茶の消費量がここ数年ほぼ横ばいとなっているのに対し、コーヒーの消費量は年々増加しています。2013年現在、英国全体でコーヒーショップの総数は約1万6,500軒、市場規模は62億ポンド(約1兆800億円)で、年間販売数は17億杯にも上っています。英国人の5人に1人が、コーヒーショップを利用していて、2009年の9人に1人から、利用率は倍近くに上昇しているのです。コーヒーショップ市場は今後も年間4%以上の成長が予測されます。特に伸び率が高いのがファストフード店やスーパーマーケット内のカフェ。コーヒーが集客ツールとなっていることの表れといえます。ハイエンドのスーパーマーケット『ウエイトローズ』では無料で取得できるメンバーズカードにより、1日1杯、無料コーヒーのサービスが受けられます。家庭での消費を含めた全消費量も年々上昇を続けており、特に一杯抽出タイプの消費量の伸びは目覚ましいものがあります。
02 英国人のコーヒー嗜好
英国人はミルク入りのコーヒーを好む傾向にあります。90年代から根強い人気を保ってきたカプチーノがラテに追い越されてはいるものの、このふたつが全体の58%を占めています。一方で、エスプレッソが人気薄になりつつあります。独立系コーヒー専門店でドリップ式コーヒーが復活していることが原因といえるでしょう。コーヒーを選ぶ際の指標は、第1に味、第2に価格で、店頭価格の平均は持ち帰りで1杯2.24ポンド。独立系の専門店では持ち帰りで3ポンドを超える店も多いですが、おいしいと感じられればそのくらい出そうと考える消費者が40%を超えています。
03 市場動向
家庭用のレギュラーコーヒーの市場を見ると、粉タイプが全体の46.3%を占めています。英国のハイエンドスーパーマーケット『ウエイトローズ』では、プライベートブランドのコーヒーをUCC COFFEE UK(以下UCC)が提供していて、一部店舗では紅茶よりコーヒーの売り場面積が広いというほどに、コーヒーの販売に力を入れています。コーヒーの売上で英国第2位で、100%UCCのコーヒーを使用している『マクドナルド』では、UCCがマクドナルド用にカスタマイズした最新マシンを試験導入している最中です。冷蔵のミルクタンク付きコーヒーメーカーで24時間営業に対応でき、今後導入台数も増えていく予定です。
\Hello!! From UCC COFFEE UK!/
UCCグループは、2012年から欧州市場に進出し、英国、オランダ、フランス、 スペイン、スイス、ドイツの6カ国でコーヒー事業を展開し、北欧・東欧・ロシアへ輸出しています。その事業を担う、UCCヨーロッパの英国事業会社の UCC COFFEE UK は、ミルトンキーンズに事務所、ダートフォードとコービーに焙煎工場を置き、従業員は約400名。 トータル・コーヒー・ソリューションをモットーに、コーヒー豆、粉やカプセルなどコーヒー製品の製造・卸業はもちろん、 スーパーマーケット等のプライベートブランドのコーヒーの提供から、外食産業でのコーヒーマシンの提供とメンテナンス、マーケティング戦略まで、コーヒーとその販売に関するすべてを手がけています。
Jon Neale(ジョン・ニール) さん
UCC ヨーロッパのグループ・ビジネス・デベロップメント・マネ ジャーとして、ヨーロッパ6カ国のビジネスを担当。