UCC ひと粒と、世界に、愛を

歴史あるカフェの街ウィーンの
新しいスタイルのコーヒーショップ。

Dec 11.2021

伝統的カフェハウスの街ウィーンにも、サードウェーブコーヒーの動きは広まりつつある。ムーブメントの中心にある3つのカフェを訪ねた。

#1
Balthasar Kaffee Bar/バルタザールコーヒーバー

2014年4月にオープンしたスペシャルティコーヒーのカフェの一つ。オーナーのオットー・バイヤー氏は、オーストリア西部のチロル地方で代々200年以上続いたレストラン経営の家に生まれ、家業を継いだが、コーヒーへの興味が高まり、ついにレストランを売却。バリスタの修行をし、ウィーンへと移り住んだ。「伝統のカフェハウスは、コーヒーそのもののクオリティーに対する意識は昔のまま。もっとコーヒーに注目した店が必要だと思った」という。

オーナーのオットー・バイヤー氏。開業当初は一人で朝から晩まで働いた。今ではスタッフ 11人体制。

扱う豆の生産地は20カ国以上。フィルターコーヒー用には3種、エスプレッソには専用のブレンドと2種を常時用意。コーヒーの国際品評会(Cup of Excellence)で最高点を取った高価な豆もあり、特別なワインを買う感覚で求めるお客様も少なくないという。平日は朝7時半から営業しているが、客足は途絶えることはなく、順番を待つ人の列ができることもしばしば。それでも接客は丁寧に、会話を大切にしているデジタル化が進んでダイレクトなコミュニケーションが減っている時代だからこそ、お客様の気分や好みを聞き、一人一人に合わせて提供したいからだ。

上から「ブリオッシュキプフェル」(1.60€)、「アーモンドクロワッサン」(2.90€)、「カプチーノ」(3.20€)。

コーヒーマシンはアメリカのスレイヤー社製。手間はかかるが、プレブリューであらかじめ香りを引き出し、好みの圧力で味わいに変化をつけることができる。これも、お客様の好みや豆の特性に合わせるため。そしてフードは、コーヒーを邪魔しないように、甘いパンやケーキ、サンドウィッチなどに絞り、小さな手作りのお店に特注している。美味しいコーヒーを楽しんでもらいたいという一点に集中しているからこそ、姿勢にブレがなく、それがお客様の信頼に繋がっている。「お店を増やすつもりはありません。自分の目が行き届かなくなるから」と笑うオットー氏。大好きなこと楽しんでやっているからこその笑顔だ。

 

#2
Jonas Reindl Coffee Roasters/ヨナス・ラインドル・コーヒー・ロースターズ

「ベルリン、ニューヨーク、コペンハーゲン……おいしいコーヒーを求めていろいろな街を訪ねました」というフィリップ・ファイヤー氏。映画制作の仕事に就いていたが、アルバイト時代にラテアートに魅せられ、コーヒーの虜に。コーヒーの質にこだわった店を目指して2014年10月に『Jonas Reindl Coffee Roasters(ヨナス・ラインドル・コーヒーロースターズ)』をオープンした。

淹れ方のレシピを細かく決めることで、いつも安定した味を提供。豆は常時5種類を用意。

豆はトレーサビリティを重視した直輸入、焙煎は浅めにとどめて豆の特徴を引き出し、豆の量、水の量も細く決めている。評判が評判を呼び、旅行分野の世界的ネットメディアB I G7で「ヨーロッパのベスト50のコーヒーショップ(*)」の1位を獲得した。客層は大学が近いこともあり若い人が多いが、豆を定期的に買い求める年配のお客様もいる。また、オーストリア産のビオディナミのワインやクラフトビールなども販売。エシカルの意識が高い人々に支持されている。
(※) Big 7 media「ヨーロッパのベスト50のコーヒーショップ」
https://bigseventravel.com/2019/02/50-best-coffee-shops-europe

「アップルクーヘン」(3.90€)と「コールドブリュー」(3.60€)。

 

#3
Fenster Café/フェンスター・カフェ

ドナウ運河の船着場に近い、ウィーンでも最も歴史の古い地区。ウィーン最古のレストラン前の路地に面した間口半間ほどしかない『Fenster Café(フェンスター・カフェ)』にはコーヒーを求める人がひっきりなしに訪れる。ユニークさは元は画家のアトリエという店構えだけではない。

フォトジェニックな店が前は恰好の写真スポットでもある。

壁に掲げられたメニューには「エスプレッソ・イン・ザ・ファイヤー」や「トロピカル・パンチ」と、謎めいた名前が並び、その下には“カードオンリー・ノーキャッシュ!”の文字。1人で切り盛りするため現金やり取りの面倒を省いたのだ。全ては、元弁護士という経歴の店主オレクサンドル・イアムコヴィ氏(通称サーシャ)のアイデア。エスプレッソは、クラシックな深煎りのコーヒーとスペシャルティコーヒーの2種類で提供。自分が楽しんで、人をハッピーにできれば最高というサーシャ。その成果はB I G7で2位という結果に表れている。

豆は自分でセレクトし、焙煎する。「おいしい豆はそれだけで完成しているのでブレンドの必要はない」というコールドブリューコーヒーとフレッシュオレンジジュース、コアントローの「トロピカル・パンチ」(6.50€)。
インフォメーション
<店舗情報>

Balthasar Kaffee Bar 
バルタザールコーヒーバー
住:Praterstrasse 38, 1020 Wien
電:+43(- 0)1 9469536
営:7:30 ~ 19:00(月~金)、9:00 ~ 17:00(土)
休:日曜日
http://balthasar.at

<店舗情報>

Jonas Reindl Coffee Roasters
ヨナス・ラインドル・コーヒー・ロースターズ
住:Währingerstrasse 2-4, 1090 Wien
電:非公開
営:7:30 ~ 21:00(月~金)、9:30 ~ 21:00(土)、10:30 ~ 18:00(日)
休:無休
http://www.jonasreindl.at

<店舗情報>

Fenster Café
フェンスター・カフェ
住:Fleischmarkt 9, 1010 Wien
電:+43(- 0)680 445 8005
営:8:00 ~ 16:00(月~金)、9:00 ~ 17:00(土、日)
休:無休
https://fenster.cafe

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