Noble and Beautiful
VIENNA
気高く美しきウィーン
カフェの香りに誘われて。
「ウィーンとは、カフェハウスの周辺にできた街のことだ。」という表現があるくらい、ウィーンの人々の生活になくてはならない存在のカフェハウス。それは、のんびりと新聞を読むリビングルームであり、友人とのおしゃべりを楽しむサロン。彼らに愛されるカフェハウスとは?
Dec 11.2021
伝統的なカフェハウス
ウィーンの魅力に
触れられる、
伝統カフェハウスとは
ウィーンで最初のカフェハウスがオープンしたのは17世紀の終わり頃。コーヒーを中心に、お茶やチョコレート、菓子などを出す店として生まれ、やがてビリヤードやチェスなどを置く店が現れた。18世紀後半には芸術家や文化人が情報交換をするサロンとしての利用が習慣化。このようなカフェハウスの伝統と品質を守るために、1950年にカフェハウス協会が設立。2011年にはユネスコのオーストリア国内委員会が無形文化遺産に認定し、グローバル化の動きからウィーンのカフェ文化を守ろうという機運が高まっている。今なおウィーンの人々にとってカフェハウスは新聞をのんびり読むリビングであり、友人とのおしゃべりを楽しむサロンなのである。
門外不出のレシピを
守り続ける
カフェハウス
『Café Sacher(カフェ・ザッハー)』は、フランツ・ザッハーの息子、エドアルドが1876年に開業したホテル・ザッハーの一部。ほとんどのお客様のお目当てはオリジナルザッハートルテ。チョコレートスポンジにアプリコットジャム、そしてチョコレートコーティング。シンプルだけに素材の良さが味わいを左右するザッハートルテは、1832年、メッテルニヒ宰相の屋敷で誕生した。見習いのフランツ・ザッハーが、病に倒れたシェフに代わり編み出したのがこのトルテだった。以来、多くの人が虜となった。今では至るところで作られているが、“オリジナルザッハートルテ”を名乗れるのは、世界でここだけ。レシピは門外不出、よそには真似のできない味といわれる所以である。
ウィーンの代表的な
コーヒーメニュー
独自のコーヒー文化を育んできた
ウィーンのカフェハウス。
そのアレンジ豊富なコーヒーメニューを紹介。
ウィーンのカフェハウス。
そのアレンジ豊富なコーヒーメニューを紹介。
ウィーンの
おなじみスイーツ
ウィーンはスイーツの都。
バロックやロココを愛した
ハプスブルクの宮廷文化が生み出した定番からオリジナメニューを紹介。
バロックやロココを愛した
ハプスブルクの宮廷文化が生み出した定番からオリジナメニューを紹介。
優雅な併設カフェ
皇帝家族も
ひとときを過ごした
動物園カフェ
暮らしの中に溶け込んでいるウィーンの人々にとって、休日のお出かけ先にもカフェがあるのはとても大切なこと。それは家族連れで訪れる動物園も同じだ。シェーンブルン宮殿にほど近い国立動物園は、もともとハプスブルク家の子どもたちのために作られたもの。園内にある、『Café Restaurant Kaiserpavillon(カフェ・レストラン・カイザーパヴィリオン)』はかつて皇帝家族がだんらんのひとときを過ごしたカフェハウスだ。神話世界や動物が描かれたドーム天井、煌めくシャンデリア、壁には鏡や黄金の装飾が施され、華やかなりし宮廷文化を思わせ、動物園にいることを忘れてしまいそうな豪華な内装だ。食事のメニューが充実しており、キッズメニューも用意されている。
シェーンブルン宮殿 内
カフェ・レストラン・カイザーパヴィリオン
カフェ・レストラン・カイザーパヴィリオン
Café Restaurant
Kaiserpavillon
Kaiserpavillon
贅を尽くした空間で
最高の休日を過ごす
美術館カフェ
ウィーン随一の豪奢な空間を誇る、美術史美術館内のカフェ『Café Gourmet imKHM(カフェ・グルメ・イム・KHM)』。1891 年完成の美術史美術館は、フランツ・ヨーゼフ皇帝が指揮した帝都大改造により誕生。カフェは、このネオ・ルネサンス様式の荘厳な建物の館内の中央に位置し、贅を尽くした装飾もさることながら、地下階から天井までの吹き抜けの大空間には圧倒されるばかり。もちろん、雰囲気だけでなくスイーツや料理も充実している。なかでも人気は、チンバリ社製のマシンで抽出したエスプレットと、しっとりとしたハムと野菜をパンにのせた軽食の「バインシンケン・ブロート」だ。カフェのある美術館を訪ねることこそ、ウィーンでの最高の休日の過ごし方である。
美術史美術館 内
カフェ・グルメ・イム・KHM
カフェ・グルメ・イム・KHM
Café Gourmet
im KHM
im KHM