コーヒー好きにおすすめの
台湾巡り4泊5日。
《DAY4》阿里山のコーヒー農園ヘ。
DAY 4 阿里山のコーヒー農園ヘ。
台湾滞在最終日に訪れたのは台湾の中でも高品質のコーヒーの産地・阿里山。嘉義という麓の街からバスで阿里山へと向かう。台湾の飲料としてまず思いつくのがお茶という人も多いはず。しかし、そんな台湾で近年はコーヒーの栽培量も増えている。そもそも台湾のコーヒー産地としての歴史を辿ると、 19世紀までさかのぼることができる。イギリスよりコーヒーの木が持ち込まれ、その後日本統治時代の1930年頃に商業栽培の全盛期を迎えるも、戦後は衰退していってしまう。それが近年は台湾でも消費としてのコーヒーブームが巻き起こり、産地としても注目を集めるようになってきたのだ。中米同様にアラビカ種の生産に適しており、 主な産地は台湾中南部(雲林県、嘉義県、高雄市など)の海抜 500〜1000mの高地。 2003年からは各地でコーヒーフェスティバルが 開催され、世界的にも認知度が高まっている。
その中でも品質の高さから特に注目を集めているのが嘉義県の阿里山。ここは烏龍茶や紅茶の名産地として知られ、標高は900〜1300mの高地で、一日の寒暖の差が大きく、降雨量も多い。そして、時折深い霧が立ち込めるというジ゙ャマイカのブルーマウンテンに似た豊かな自然環境下にあり、コーヒー産地としてのポテンシャルは十分。そのため、近年では茶を生産してきた農家がコーヒーの栽培にも力を入れ始めており、茶畑と茶畑の間 にコーヒーが栽培されている独特の景観が生まれている。現在はティピカやゲイシャ、カツーラなどのアラビカ種をほどの総面積で 年間約 生産している。多くの品種を栽培しているのは現在もこの地 に適した品種を探し出しているため。精製方法もウォッシュド・プロセス、ナチュラル・プロセス、ハニー・ プロセスの全てを取り入れている農家もあり、試行錯誤を続けている。 まさに現在進化系の産地なのだ。
そんな阿里山コーヒーの特徴は、 前述のとおりコーヒー畑と茶畑が共存していること。茶畑として既に給 水設備などが整備されている土地な ので、コーヒー畑もその恩恵を存分に受け、栽培環境は申し分ない。また、コーヒー畑と茶畑が整然と並んでいる景色は、とても美しく、見ているだけでも心が洗われる。このように美しく整備されている農園は、 中米やアフリカなどでは見ることができないため、観光地としての魅力もある。こんな類い稀な環境で育ったコーヒーはもちろん味も抜群。程よいコクと後味に残る甘味が最大の特徴で、台湾のカッピングコンテストでは常に上位に入賞している。これまでの茶の栽培で蓄積した技術と品質管理がコーヒー栽培に役立てられ、世界でも屈指の産地へと変貌を遂げようとしている。