マウリッツィオ・ヴァッリさん、
イタリアのエスプレッソについて 教えてください!
イタリア人にとって
エスプレッソとはどういうもの?
朝に1杯、ランチ後に1杯、夕方に1杯、ディナー後にも1杯と、イタリア人にとってエスプレッソは長い間“習慣”のようなものでした。でも最近は、少しずつですが変わってきていると感じています。いいものにはお金を払うという動きがあり、エスプレッソに対する意識も変化。たとえば、豆の生産地に興味を抱いたり、シングルオリジンの豆でエスプレッソを飲みたいというお客様が年々増えています。
イタリアのエスプレッソは今、
どのような傾向にありますか?
地方と都市部で差はありますが、若い人を中心に新しいスタイルを柔軟に受け入れるようになってきていると感じます。特にミラノにサードウェーブの影響を受けたカフェが次々とオープンしたことの影響を受け、豆の産地や焙煎によって風味が異なることや、エスプレッソだけでなくさまざまな淹れ方があることが広がりました。コーヒーの魅力を伝えたいと思っている私たちにとって歓迎すべき出来事でした。
イタリアのエスプレッソは
北部と南部で味わいは異なりますか?
はい、同じイタリアでも傾向は異なります。北はアラビカ種が主体で浅炒りのため酸味やまろやかさが感じられる傾向。抽出スピードも速くさらっとした飲み口です。ローマ以南の南部は、ロブスタ種が入った深炒りの焙煎なので、苦味やコクがあるしっかりとした味わいのエスプレッソが好んで飲まれていました。どちらも砂糖を入れるのが従来のスタイルで、デザートと一緒に飲む習慣はありません。エスプレッソを飲む時は、コーヒーそのものの味わいをたしなむのがイタリア人スタイルです。
イタリアのエスプレッソ文化は
どのように変化していくと思いますか?
単にコーヒーを飲むだけでなくコーヒーそのものの奥深さに興味を持つ人がもっと増えてくれるといいなと思っています。『Bugan Coffee Lab(ブガン コーヒー ラボ)』では、カッピングや焙煎等、コーヒーを学びたい人に向けたスクールも開講しています。バリスタのプロを目指す若者から、近所に暮らす90歳のおばあちゃんまで幅広く受講いただいています。今後、イタリアの伝統的なエスプレッソ文化や新しいコーヒー文化が進化していくことを期待しています!
マウリッツィオ・ヴァッリさん
Bugan Coffee Lab/ブガン コーヒー ラボ
住:Via Quarenghi, 32 Bergamo
電:+39-035-317147
営:8:00 ~ 18:00(月~金)、8:30 ~ 18:00(土)
休:日曜日
https://bugancoffeelab.com