So, Coffee?

日本の喫茶文化から影響を受け2000年以降にブームが起きた、アメリカにおける「サードウェーブ」の特徴をまとめると、豆の産地や個性を生かす焙煎へのこだわりと、シングルオリジンの浅炒り豆を一杯ずつ抽出するポアオーバーと呼ばれるハンドドリップコーヒーが基本となる。現在もサンフランシスコで「サードウェーブ」を牽引する、注目の５つのカフェをご紹介。

#1
Andytown Coffee Roasters／アンディタウン コーヒー ロースターズ

『Andytown Coffee Roasters（アンディタウン コーヒーロー スターズ）』はサーファータウンとして人気の住宅地・サンセット地区に2014年にオープンした小さなカフェから始まった。アイルラ ンド出身のオーナーが「いつでもお いしいものがある、グランマの家の キッチンをイメージした」という。 コーヒー豆はそれぞれキャラクターを最大限に引き出すため、日ごとに粉や水の分量を変え、マシンも「ラ・マルゾッコ」と「キース・ファン デルベステン」を使い分ける。ハウスメイドのフードも人気があり、住宅地でありながら、行列ができるほどだ。あるとき、常連のビジネスマンが自社ビルへの出店をオファー。 2019年、４号店目となる店舗をセールスフォースタワー内にオープンした。「雰囲気は異なっても グランマのキッチンというコンセプトで、お客様との関わりを一番大切にしています」とマネージャーの ジャッキー・シンボリスキ氏。根強いファンの力により、大きな一歩を踏み出したカフェに、居心地の良さを求め、今日も人々が集まってくる。

#2
Four Barrel Coffee／フォーバレルコーヒー

2008年にオープンした『Four Barrel Coffee （フォーバレルコーヒー）』。IT業界の顧客なくしては語れないカフェカルチャーのなかで、オフィスではなく寛いだり語らうための場としてのカフェ目指し、Wi-Fiを設置しないというストイックな姿勢を持つ。しかし新しいもの好きな“ヒップスター”たちに向けての効果は絶大。パソコンを開くことなく、会話とコーヒーを楽しむ姿は新鮮だ。

#3
Ritual Coffee ／リチュアルコーヒー

2005年にオープンの『Ritual Coffee（リチュアルコーヒー）』は、コーヒー生産者に投資し、生産農家と公平な関係性を築くなど努力を行ってきた。さまざまな抽出方法も提案し、バリスタはハンドドリップで一杯ずつ丁寧にコーヒーを抽出。また、独自のトレーニングプログラムを実施し、バリスタの教育にも力を入れている。

#4
Sightglass Coffee／サイトグラスコーヒー

ブルーボトル出身の兄弟が2009年に立ち上げた『Sightglass Coffee（サイトグラスコーヒー）』は生豆に特にこだわり、農家との関わりを大切にしている。「のぞき窓」という名前のとおり、すべてがオープンなのもコンセプト。ミッション地区店は、再生木材の天井が美しく、ボタニカルな雰囲気に包まれ多くの人で賑わっている。

#5
Blue Bottle Coffee／ブルーボトルコーヒー

「サードウェーブ」の火付け役としても知られる『Blue Bottle Coffee（ブルーボトルコーヒー）』。2002年、創業者の焙煎に対する探求心からスタートし、カフェ業界のビジネスモデルも確立。あっという間に世界的な企業にまで成長した、コーヒーカルチャーのパイオニアだ。旧造幣局で、国定歴史建造物にも指定されているミントプラザ店には、さまざまなコーヒー器具が用意されており、日本製(BONMAC)のサイフォンで一杯ずつ抽出するサー ビスも行っている(8時から14時まで注文可能)。