屋台がおいしい!
ベトナムローカルフード、
いくつ知ってる?
ベトナム人にとって「外食」は日常の一部。朝食はフォー屋へ。小腹が空いたら屋台のコーヒーと甘いチェーでひとやすみ。街のいたるところに屋台があり、食堂の外にはカラフルな小さな椅子が所狭しと並べられ、いつもたくさんの人で賑わっている。大人が幼稚園児の座るような小さな椅子に座って方を寄せ合いながら食事をする光景は、ベトナムならではの風景のひとつ。
屋台や食堂で提供される、いわゆるベトナムらしい料理の数々は、家庭で作られることはほとんどないそうだ。おかげでベトナムのローカルフードを堪能できる外食店は充実。いくつかある定番フードのなかでも、一番人気はやはり「フォー」。ベトナム人は週に2~3回は食べるそう。さまざまなアレンジがあり、ベーシックなタイプから、スープのないタイプ、生地を生春巻きのように巻いたもの、そして最近では揚げフォーが人気なのだとか。北部はダシが効いたさっぱり味、南部は砂糖を使った甘めの味など、南北に長いベトナムならではの食べ比べも楽しい。
観光客にも人気のベトナム人のソウルフード
「フォー」
「フォー」は米粉で作った平打ちの麺を、牛や鶏を煮込んだスープに具とハーブを入れて食べる。ベトナム人にとっては定番の朝食メニューで、鶏肉(ガー)や牛肉(ボー)が人気。北部ではさっぱりめ、南部は甘めと地方によって味付けが異なり、好みでトウガラシやチリソース、ニョクマムやライムで自分流にアレンジして食べる。「クワイ」という揚げパンをスープに浸して食べるのがベトナムローカルスタイル。
フランス食文化との融合、手軽さNo.1の屋台フード
「バインミー」
「バインミー」はフランスの影響を受けてできたベトナムを代表するローカルフードのサンドイッチ。切り込みを入れたバケットに、肉や野菜、パクチーなどのハーブを挟み、最期にニョクマムで味付けをする。屋台のほかカフェなどでも提供されることが多く、具材はさまざまだが、注文を受けてから作るため、パンの香ばしさとパリッとした食感が、おいしさを引き立てる。
サイズやソースなど地方ごとの特色が楽しめる
「ベトナム春巻き」
「生春巻き」は、ゆでたエビや鶏肉、レタス、ブン(米麺)などをライスペーパーでつつんだもので、南部が発祥。一方、中国に近い北部はひき肉や魚のミンチを包んで揚げた「揚げ春巻き」がよく食べられる。タレも異なり、南部ではみりんと刻んだニンニクを混ぜたもの、北部では水と青パパイヤのスライスを入れたものが一般的。宮廷料理が進化した中部のフエには「蒸し春巻き」「綱春巻き」「からし菜春巻き」など美しさにこだわった春巻きも。
主に南部で食べられるベトナム風お好み焼き
「バインセオ」
一見オムレツのようだが、その正体はターメリックとココナッツミルクを加えた米粉の薄い生地。日本ではベトナム風お好み焼き、西洋ではベトナム風クレープとも呼ばれるベトナム南部発祥のローカルフード。パリパリとした生地の中には、モヤシやエビ、鶏肉やきのこなどの野菜たっぷりの具材。ミントやドクダミなどのフレッシュハーブとともにレタスなどに含んで、ニョクマムをベースにした甘辛タレ「ヌクチャム」につけて食べる。
フォーの進化版、近頃じわりと人気
「揚げフォー」
揚げたフォーにとろみのあるあんをかけた、ハノイ名物の「揚げフォー」。米粉のフォーは揚げるともっちりサクサクで、おかきのような味わい。麺の形はさまざまで、長い麺を揚げ、焼きそばのように仕上げたものや、平たいフォーを正方形にカットして揚げたものなど、お店ごとにこだわりのスタイルがある。牛肉と野菜のあんをたっぷりかけていただく一皿は、子どもから大人まで大人気のローカルフードで、専門店もあるほど。
せんざい?かき氷?ベトナムの伝統的なデザート
「チェー」
「チェー」とはデザートの総称で、ベトナムのローカルスイーツの代表。南部はアイス、北部はホットが人気。冷たいチェーは甘く煮た豆や芋、フルーツ、タピオカ、観点などの上に、シロップやココナッツミルクをかけて混ぜていただくもので、見た目も鮮やか。色とりどりの具材のなかからお好みのトッピングを選んで、オリジナルのチェーを作ることができるお店も。温かいチェーには白玉団子入りもあり、日本のぜんざいに似た優しい味わい。