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So, Coffee?

FEATURE
New Wave
in VIETNAM

ベトナム最新コーヒー事情

ベトナムといえば、練乳を入れたカップの上にアルミの小さなフィルターを乗せ、個性の強いロブスタ種のコーヒーを抽出していただくスタイルが有名だが、近頃はアラビカ種のコーヒーを楽しむカフェも続々オープン!注目カフェから産地まで、進化し続けるベトナムコーヒー業界の今をお届け。
Dec 08.2021

アラビカ種の人気が高まり
進化するコーヒー文化

「ロブスタ種」の栽培が95%を占めるベトナムにおいて、
「アラビカ種」の豆をストレートで飲む
欧米や日本のコーヒースタイルが注目され始めたのは、ごく最近のこと。

2012年にホーチミンで、アメリカのコーヒー文化に興味を持ったアーティストたちが集まり、
コーヒーの楽しみ方を研究するサロンが生まれ、その後ハノイやホーチミンの都市部を中心に
次々とニュースタイルのカフェがオープン。

そんななか、「アラビカ種」の主要生産地である、ラムドン省の中心・ダラット市に、
2015年にひとつのカフェがオープン。

『La Viet Coffee(ラ ヴィエット コーヒー)』は、
ロブスタ種の豆を深く焙煎して香料を加え、濃く抽出するという伝統的なコーヒーの飲み方ではなく、
「アラビカ種の香りや酸味を含んだ良質なコーヒーを楽しんでもらいたい」という想いから生まれた。
進化し続けるベトナムコーヒー業界にこれからも注目していきたい。

栽培から1杯のコーヒーまで。
産地で味わい、学ぶカフェ。
コーヒー豆は直接農家から買い付け、脱穀から焙煎までを自社で行い、店内ではハンドピッキングの様子を見ることもできる。ベトナムの良質な豆だけを使用し、特徴を生かしたさまざまな抽出方法で提供され、人気の「コールドブリュー」(45,000VND)(写真左)は 8 時間かけてじっくりと抽出。1,000㎡もある広さの理由は、カフェスペースだけではなく、焙煎室や生豆の精選室、アラビカ種コーヒーの知識を広く一般の人にも伝えるセミナールームまであるから。農園を見学できるプログラムあり、栽培から精選、そしてコーヒーが提供されるまでの、“コーヒーのすべて”を体験できるユニークなカフェとして注目されている。
ラヴィエットコーヒー
La Viet Coffee
ADDRESS:200 Nguyễn Công Trứ,Thành phố Đà Lạt, Lâm Đồng
URL:https://www.facebook.com/coffeelaviet/

変化するコーヒー生産地

コーヒーの木の状態を確認するソンさん。完熟したコーヒーチェリーが見られるのは11月〜1月。

ベトナムでのコーヒー栽培は1850年頃、フランスにより北部でのアラビカ種のコーヒー栽培が始められた。しかし、生産量が大きく伸びることなく、1980年代にベトナム政府主導で病害虫に強い品種のロブスタ種の栽培が始められ、立地条件、気候が適していたこともあり飛躍的に生産量が伸びた。現在もベトナムコーヒーの生産量の95%をロブスタ種が占めてはいるが、近年はアラビカ種の生産にも力を入れている。

このアラビカ種の生産地として知られるのがダラット。ホーチミンから北東に300㎞ほど離れたところにあり、標高1500mに広がる高原の街だ。別名「花の街」とも呼ばれるダラットは、花と茶、野菜を栽培する農地が広がり、この自然豊かな環境の中でコーヒーも栽培されている。ソンさんの農園もそのひとつ。敷地内には収穫したコーヒー豆を加工処理(精製)する設備を整え、高品質なアラビカコーヒーを安定的に生産でき、周辺の農家を牽引している。

コーヒーの主な品種

コーヒーの木には多くの品種があるが、その中でも通常飲まれているのはアラビカ種とカネフォラ種(一般にはカネフォラ種の中の品種ロブスタが通り名になっている)がある。
アラビカ種
日本で通常ストレートとして飲んでいるコーヒーのほとんどがこれにあたる。酸味、香りを兼ね備えた品種。高地での栽培に適していて高温や病害虫に弱い。
ロブスタ種
ブレンドやインスタントコーヒー、缶コーヒーなどに使われることが多い。強いボディーと苦味を持つ品種で、低地での栽培に適していて病害虫に強い。
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