サンフランシスコはここまで進化している!
フードトレンドキーワード。
地球に優しいオーガニック食を中心としたサステナビリティ文化と最新IT技術のコラボが、サンフランシスコの食文化を紐解くうえでカギとなるようです。サンフランシスコの“今“がわかる、7つのキーワードから最新の食文化を覗いてみましょう。
#1
キャッシュレス&ロボット
サンフランシスコに本社を構えるTwitterの創始者が開発したモバイル決済サービスの「スクエア」。キャッシュレス決済を簡素化し飲食店などの決済方法に改革をもたらした。さらには調理や配膳ロボットの開発にも積極的に介入し、飲食店の効率化の一翼を担っている。
#2
ゴミゼロ
2003年に「ゴミゼロ」が宣言されて以来、積極的に環境問題に取り組むサンフランシスコ。以前から紙製や堆肥化できる容器を採用していた『ブルーボトルコーヒー』。すべてのものを無駄にせず、地球・自然から得たものがきちんと循環するサステナブルな社会を目指している。
#3
フードテクノロジー
レストランで「並ぶ・待つ」など客の苛立ちを招いていた従来のシステムはプリオーダーシステムのアプリ開発によりスムーズになっている。その背景では、IT出身者たちがスタートアップ企業を立ち上げ、常に便利で効率の良いスマートなアイデアを提案している。
#4
プラントベースミート
ベジタリアンやヴィーガン人口の多いサンフランシスコでは、肉を使わず、植物由来の食材で肉の食感や匂いなどを再現した代替肉の「インポッシブルミート」や「ビヨンドミート」が流行。最近はどちらもスーパーでも購入可能。家畜が減ることによりCO2濃度の低下につながるとし、環境への意識が高い。
#5
ベジセントリック
「ベジタブル(野菜)」と「セントリック(中心の)」を合わせた造語。健康志向のサンフランシスコであっという間に定着し、ランチタイムにはサラダ専門店に長蛇の列ができるほど。カリフォルニアは全米一の野菜の産地。地産地消の思想が根付くサンフランシスコらしいムーブメントだ。
#6
オーガニック
1990年、オーガニックスーパー『バイライト・マーケット』のオープン以降、オーガニック食材が身近になったサンフランシスコ。1971年にカリフォルニア料理店『シェ・パニーズ』をオープンさせたアリス・ウォータース氏の影響も絶大だ。以降、今日に至るまで受け継がれている自然環境への配慮や、ヘルスコンシャスな地域制は、サンフランシスコの大きな特徴のひとつといえる。
#7
グラブ&ゴー
朝食もランチもさっと済ませる“ワンハンド”で食べられる朝食がトレンド。サンフランシスコに点在する『Amazon Go』はグラブ&ゴーストア(grab and go store)と呼ばれ、「掴んでゴー」という意味のとおり、レジ無し決済ストアのことだ。忙しいサンフランシスコ人のライフスタイルとマッチして一気に広がった。
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世界を牽引するサンフランシスコのIT業界は今、フードビジネスに注目しています。人気のカフェやチョコレートメーカーの創業者がIT出身者であることも特徴です。ベンチャーキャピタルや個人の投資も積極的に行われ、今急激に伸びているのは代替乳製品類。現在はオート麦から作られた「オートミルク」が空前のヒット中です。テクノロジー部門では、未来型ロボットがレストランやカフェでも多く見られるようになりました。ロボットの開発や導入をする店舗の目的は、人件費削減もしかり、よりよいサービスを提供するため。ロボットと人がバランスよく共存することにより、未来志向の飲食ビジネスが繰り広げられています。これはサステナブルな思考をもつサンフランシスコらしいイノベーション。さらに今後はAIやIoTなども活用され、ますます発展していくことでしょう。
関根絵里さん
フード&ライフスタイル・ライター/コーディネーター
1996年に米国カリフォルニア州に移住。2000年より日本語タウンサンフランシスコ版を担当。現在、フリーランスとしてコラムやレポートを寄稿しながらメディア、食視察コーディネーターとして活動中。著書に『カリフォルニア・オーガニックトリップ』(ダイヤモンド社)がある。サンフランシスコ在住。