King of coffee “Blue Mountain”
ジャマイカが誇るコーヒーの王様
「ブルーマウンテン」の魅力。
ジャマイカといえば、“コーヒーの王様”と名高い希少なコーヒー豆、ブルーマウンテン。日本人に愛されてきた、その最高品質のコーヒーづくりには、栽培や精製方法、品質管理まで、おいしさを守るための徹底した取り組みがありました。
ブルーマウンテンとは?
ジャマイカの東側に連なるブルーマウンテン山脈は、この国で最も高い山地。海で吹く湿った風により雨雲が生じ、青い霧が垂れ込めるので、その名が付いた。その内側の「ブルーマウンテンエリア」で栽培されたコーヒーだけが、ブルーマウンテンコーヒーを名乗ることができる。
絶好の環境で栽培されるコーヒー
ジャマイカの首都・キングストンの喧騒から抜け出し、クルマを走らせること約1時間。木々の緑の濃淡と、頂上にかかる青みがかった霧が美しい、ブルーマウンテン山脈が眼前に広がる。この一帯はブルー・アンド・ジョン・クロウ・マウンテンズ国立公園の一部で、2015年には世界複合遺産に登録されている。
ブルーマウンテンといえば、“コーヒーの王様”と名高いブルーマウンテンコーヒーだろう。バランスの取れた芳醇な味わい、気品あふれる香りと深い甘味を持つ逸品で、世界屈指の最高級コーヒーに数えられる。しかしそれを名乗れるのは、ブルーマウンテンエリアと呼ばれる指定地区で栽培されたコーヒーだけ。
標高800m以上の険しい山岳地帯に位置するブルーマウンテンエリアには、朝晩に発生する霧によって木や土壌に適度な水分が補給される。弱酸性かつ粘土質の土壌は、豆の甘味を生む。日中と夜間の気温差が8℃以上になる時間帯が日に2度訪れることで、豆は膨張と収縮を繰り返し、コクのある味わいを生む。この地には、コーヒー栽培にはまれに見る好環境が揃っているのだ。
1728年、当時の軍司令官であったジャマイカ総督のニコラス卿が、西インド諸島のマルティニーク島からコーヒーの木を持ち込み、キングストンの丘陵地帯に植樹したことから始まった、ジャマイカのコーヒーの歴史。その後、統治していたイギリス政府によりプランテーションが行われるようになり、コーヒー産業は急速な広がりを見せた。
しかし、多雨による土壌の流出や、1838年の奴隷制度廃止による労働力不足など、問題が次々に発生。意欲を失った農園主が農園放棄や作物転換を図り、1930年代までにはコーヒーの生産量は減少の一途をたどることとなる。