歴史が作りあげた、
個性的&多彩なジャマイカの食文化。
アフリカ、中国、インド、ヨーロッパの料理が混じり合ったジャマイカ料理。黒人奴隷がもたらした食文化が強く根付き、主食としてはイモなどの根菜を食すことで、厳しい労働にえうる体力を保つことが重視されている。にんにくや唐辛子、オールスパイスがたっぷり入っているのも特徴だ。
そのスパイス類を最大限に生かし、ジャマイカで多く食べられている鶏肉を使った料理がジャークチキン。付け合わせのイモやゆでたバナナ、ライス&ピーズなどで、辛味を中和させながら食べる。
そしてジャマイカといえば、国民食ともいえるアキー&ソルトフィッシュ。アキーは脂質の多い果物で、ジャマイカでのみ食される。完熟していないものには毒があるので、見極めと下ごしらえが重要。塩漬けのタラなどと炒めたこの料理は、ジャマイカ朝食の定番。また、カリーゴートはお祝い事には欠かせない料理。どんな豪華なパーティーや結婚式にも登場する。
ジャマイカを代表するファストフードはパティ。国内にはパティのチェーン店もあるので、見かけたら軽いランチやスナック感覚でつまもう。
●Dish
1. Ackee & saltfish/アキー&ソルトフィッシュ
アキーは、赤い殻に包まれ中心に黒い種がある果物。熟していない実は有毒なので注意。それを塩漬けのタラや玉ねぎ、ピーマンなどと炒める。スクランブルエッグに似た味わい。
2. Jerk chicken/ジャークチキン
オールスパイスなどの香草や玉ねぎ、唐辛子などの香辛料が入ったソースに鶏肉を漬け込み、ピメントやスイートウッドの木でいぶし焼きにしたもの。香りと辛味が絶品。
3. Curry goat/カリーゴート
ヤギ肉のカレー。日本のカレーのようにイモや玉ねぎなども入り、スパイスが効いている。骨が多く食べるのに手間だが、他の肉よりヘルシーなので人気。
4. Patty/パティ
香辛料でスパイシーに味付けした牛肉や鶏肉、魚介や野菜などを、薄いペイストリー生地で半月形に包み、焼き上げた軽食。パリパリの皮が美味!
5. Rice & Peas/ライス&ピーズ
主食の一つ。米と赤いんげん豆を、ココナッツミルクやタイム、ピメントなどの香辛料、香草と一緒に炊いたもので、見た目はまるで日本の赤飯。スパイシーな肉料理にぴったり!
●Fruits
ジャマイカでは、新鮮で彩り豊か、さまざまな種類のフルーツがいつでも手に入る。バナナ、マンゴー、パパイヤはどの家の庭にも植えられている定番。エキゾチックなフルーツを楽しみたいなら、路上のスタンドへ。カットすると星形模様が現れるスターアップルは、見た目にも楽しい。甘くクリーミーな果肉を、スプーンですくって食べる。ここでしか食べられないフルーツはほかにもたくさん。太陽の恵みをそのままいただこう!
●Sweets
ジャマイカのお菓子には、素朴な見た目の割に後を引く味わいがある。名物はポテトプディング。裏ごししたさつまいも、ココナッツフレークやラム酒漬けのレーズン、シナモンなどのスパイスを混ぜ合わせてオーブンで焼いた料理で、どっしりと重い。ギザーダは、ココナッツと黒砂糖、ナツメグ入りのタルト。ポルトガル由来のお菓子で、シャリシャリの食感が癖になる。定番人気はバナナブレッド。こちらもナツメグやシナモン、ラム酒が欠かせない。
●Drink
日常的に飲むコーヒーには、砂糖とコンデンスミルクをたっぷり入れるのが流儀。そのまま飲んだり料理に使ったりと、ジャマイカ人の生活に密着したラム酒。5種のミックスジュースで割ったラムパンチなど、カクテルも人気。ココナッツジュースはぜひ路上のスタンドで試してみて。赤い花・ソレルのがくを煮出したジュースも、ジャマイカの定番。酸味が心よく、家で作る際には、ピメントなどのスパイスやしょうがなどをお好みで加える。