So, Coffee?

#5　Napoli

古くから異国と交流のあったナポリは、いち早くコーヒー文化が根付いたため、イタリアでは〝エスプレッソの聖地〞といわれている。 抽出圧力が高いレバー式のマシンで淹れる、濃くて苦いエスプレッソに砂糖をたっぷり入れるのがナポリスタイル。 タクシードライバーは「チップはいらないからコーヒー代を」と口にする人もいるほどコーヒー好きが多い。この変わらぬコーヒー愛を受け継ぎながらも「長い道のりの第一歩を踏み出せた」と『Ventimetriquadri Specialty Coffee 』のオーナーが語るように、ナポリのコーヒー文化に少しの変化が訪れた。今後の進化に注目したい。

《Standard》

“ナポリの古き良きクラシカルカフェ”
Gran Caffè Gambrinus ／グラン カフェ ガンブリヌス

1860年にオープンし、1973年に現オーナーの手に渡った老舗カフェ。白を基調にした、クラシックな雰囲気の建物の店内は、ナポリの中心にあるガレリアを設計した建築家が手がけた由緒ある見事な内装。「ベースとなるエスプレッソに+αを加えていくことでおいしくなります」と支配人のジェンナーロ・ポンツィアーニさん。

“ナポレターナをサロンスタイルで”
Gran Caffè La Caffettiera／グラン カフェ ラ カフェティエラ

「カフェに行かない? の合図は、あなたと一緒に過ごしたいという意思表示です」と、クラシックな雰囲気が漂う老舗のカフェ『Gran Caffè La Caffettiera』で、ナポレターナを提供するオーナーのグリエルモ・カンパヨーラさん。ナポレターナとは、特別な器具で圧力をかけずに時間をかけて抽出するコーヒー。エスプレッソに比べ軽い味わいが特徴。

《NewWave》

“スペシャルティコーヒーをアーティスティックな店内で”
Ventimetriquadri Specialty Coffee ／ヴェンティメトリクアドリ スペシャルティ コーヒー

自分らしい働き方を探しているときにスペシャルティコーヒーに出合い、「自分が驚いた体験をナポリのみんなにもしてほしい」とバリスタに転職したオーナーのヴィンチェンツォ・フィオレットさん。こだわりは、シングルオリジンの高品質の豆を使うこと。ハンドドリップで淹れたコーヒーをホットでもワイングラスで提供する等、好奇心を引き出す仕掛けがたっぷり。