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REUNION :
A Volcanic Island
レユニオン島に根づく、
コーヒーのある生活
インド洋に浮かぶフランスの海外県であるレユニオン島では、家庭やコミュニティで楽しむために細々とコーヒーが栽培されてきた。代々受け継がれてきたコーヒー文化、そしてレユニオン島のカフェをご紹介。
Dec 06.2021
レユニオン島って
どんな島?
どんな島?
インド洋上のマダガスカルの東に浮かぶレユニオン島は、1507年にポルトガル人が上陸するまでは無人島であったといわれている。1810年から1815年の5年間はイギリスの統治下に入ったこともあるが、イギリス統治時代の面影は残っておらず、街に残る古い建造物はフランス植民地時代のもの。現在もフランスの海外県で、使用する通貨はユーロ、言語はフランス語で宗教はカトリックがほとんど。熱帯気候に属し、5~10月の乾季と11~4月の雨季に分かれ、1年を通して温暖だ。島の一部は世界自然遺産にも登録されている。フランス本土とは全く異なる独自の文化を形成している点も注目だ。
今も受け継がれる
昔ながらの慣わし
昔ながらの慣わし
焙煎から抽出まで自宅で。
レユニオン島では、かつて「café la cour(カフェ・ラ・クール)」と呼ばれるコーヒーを嗜む文化があった。「cour(クール)」とはフランス語で「中庭」という意味。つまり、中庭でコーヒーをいただくというもの。2つの火山からなるレユニオン島は、豊かな自然環境と気候でコーヒー栽培に適した風土だ。その昔、レユニオン島の人々は、自宅の中庭でもコーヒーの木を栽培し、採れたコーヒーチェリーを家主が自ら焙煎、抽出をし、近隣の住民に振る舞っていということから、そう呼ばれるようになった。そしてその文化は、自宅で焙煎から抽出するというコーヒー文化として現代に受け継がれている。
伝統文化を今に伝える
「コーヒー博物館」が
オープン。
「コーヒー博物館」が
オープン。
「Le Vieux Domaine(ル・ビュー・ドメイン)」は、レユニオン島のコーヒー文化を今に伝えるコーヒー博物館として2017年4月にオープン。昔ながらの家屋を改装した館内では、20世紀半ばのレユニオン島で暮らす人々がどのように日常的にコーヒーに楽しんでいたかを、さまざまな展示から知ることができる。また、焙煎から抽出までの工程を目の前で実演するサービスもあり、淹れたてのコーヒーを試飲することも可能。園内には今後カフェをオープンする予定。
ル・ビュー・ドメイン
Le Vieux Domaine
レユニオン島で
カフェめぐり
カフェめぐり
世界の優れた豆を
焙煎から手がける販売店。
焙煎から手がける販売店。
フランス本土出身の夫婦が2014年にオープンした豆販売がメインの店「Kazkfe(カズカフェ)」。カフェスペースも完備しているため、販売されているコーヒーは店内で楽しむことも可能だ。インドネシアのガヨマウンテンやコロンビアのスプレモなど、世界のコーヒー豆を約15種類そろえ、気になる豆は試飲もさせてくれる。地元の伝説の豆、ブルボンポワントゥも扱っているが、人気で入荷するとすぐなくなってしまうそう。店内の豆はすべてオーナー自ら焙煎し、エスプレッソで抽出。クロワッサンなどのパンはなんとサービス!
週一営業の
移動式カフェで
レユニオンの味を堪能。
移動式カフェで
レユニオンの味を堪能。
毎週日曜日のみ島の西部サン・ポールの屋外マーケットで営業している移動式カフェ「Tirou Tuk Tuk Le Baristarun(ティル・トゥック・トゥック・ル・バリスタラン)」。出店費用を抑えるため、東南アジアなどでよく見かけるトゥクトゥク(三輪自動車)を改造して営業を行なっているが、「将来はちゃんとした店舗を構える予定」とオーナーのソニタ・ティルマレさん。抽出はエスプレッソがメイン。「ブルボンポワントゥのエスプレッソ」(€3.50)もあるが、希少性が高いため、滅多にお目にかかれないそう。使用する素材の約90%はレユニオン島産のもので、地産地消をモットーとしている。
ティル・トゥック・トゥック・ル・バリスタラン
Tirou Tuk Tuk Le Baristarun
ADDRESS:サン・ポールマーケット内(移動式のため住所不定)
伝説の味を日本でも!
レユニオン島の伝説のコーヒー、ブルボンポワントゥを日本でタホシムなら、UCCコーヒー博物館内の「コーヒーロード」(1日5杯限定)へ。コーヒー博物館でコーヒーの知識を高めた上で飲む一杯は格別だ。
UCCコーヒー博物館内 喫茶室
UCC Coffee Road